カシオペアの丘で
重松清

この人の作品は、読んだ後に気持ちが軽くなるとは言えない お世辞にも
気分がめり込む感覚を引きずる

ただ、いろいろと考えることはする
そういう種を含んでいる作品なんだろう

このスタイルがこの人独特で
否定はしない
でも、もう少し気持ちが軽くなる内容や
文章を期待したくなる
もう少し、そんなのもあっていいでしょ?と聞きたくなる


若い頃は、真っ直ぐ前だけを見つめて歩いている
ある年齢を超えると、後ろに積み重ねたものの方が
目の前にある、これから積み重ねるだろうものより
多くなっていることに気づく

後ろを振り返ることが、大切になるのは
そんな年齢を意識して、気が付いた頃
後ろを振り向くことがとても愛おしく感じるようになる
思い出をなぞることは、後ろ向きの行為かもしれないが
愛する思い出を持っていることは、とても幸せな事だ

通る道と通ってきた道
どちらかが優で、残りが劣
なんて、ナンセンス
と、私は思う

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